車のドアの音で眼が覚める。
今朝も雨だ、それも土砂降り・・こんな朝早く雨が降ってるのに水汲みとは・・
ゴールデンウイークも終わり世の中は平常通りに戻ったが、毎日日曜日の爺さんには変わり映えの無い日常だ。(笑
さてさて、北海道・利尻島釣り遠征が道草ばかりしているのでなかなか北の大地に近づけない。
これまでの北海道上陸の経歴は、21歳の時3泊で旅館に泊まりながらの旅が初めてで、旅館泊まりではつまらない事を味わい、次からはテントを担いでオートバイとなり次いでキャンピングカーそして現在の軽バンとなった。北海道は数えきれないほど訪れている。
キャンピングカーの時代は愚妻も一緒だったが、日本3周目を達成した頃から一人旅になりこれからどんな旅スタイルにするか考えた挙句、軽バンならではの旅を考え離島遠征や釣り遠征に変化して現在に至っている。
身軽な軽バンは道の駅は勿論道路脇の小さなスペースでもP泊出来るので一人旅には欠かせない相棒だが、その反面居住性は桁外れに悪い。爺さん身長が185センチ63キロと骨と皮ばっかりだが、寝る時は小さく折りたたんで寝ることになる。これが最大のデメリットでメリットはその何倍もあり最大のメリットは、ランニングコストが安い事、下駄車として普段乗りにも使え税金も安く遠征時のフェリー代も格段に安いことが挙げられる。
そんな軽バンで昨夜P泊した栗駒神水を後にまたまた南下、一旦国道4号線に出て北進、岩手県に入り一関市から国道342号線で再び秋田県境を目指す。
民家が点在する田園風景を左右に見ながら快調に飛ばし山間地帯に入りワインディングロードを登って行くと大きな広場の先に湧き水があったので小休止する。
ぶなの恵の湧き水らしく早速ぺットボトルにいただいた
相変わらず雨は降り続き本降りとなってきた。
少し休憩した後出発、峠道はしばらく続きやがて坂道も緩やかになってくると建物が見えて来た。
頂上付近に到着すると至る所から水蒸気が上がり数軒の旅館が見え、反対側には大きな駐車場があった。
風雨が強く寄って行くかどうか躊躇(ちゅうちょ)したがせっかく来たので駐車場に車を停め横殴りの雨が降る中、白煙が立ち上る方に行ってみた。
立て看板を見ると、ここは岩手、宮城、秋田の3県にまたがる須川高原温泉のようだ。
最奥の栗駒山から湧き出す温泉が川のようになって流れ出していた
旅館やホテルは数軒点在していたが風と雨が強いので近くの露天風呂に入ってみた。正面の塀の向こうは大露天風呂・川がそのまま露天風呂となっているようだ(日帰り入浴700円・6時〜)
大荒れの須川高原を下り再び秋田県に入って国道13号線に乗り北上、横手市、大仙市を通過、国道105号線に変わり角館に入る。
雨模様だが返ってしっとりとした東北の小京都らしさが感じられる
ただ通過しただけだった角館は静まり返り、何度か来ことはあったがこんなに空いていたことはない。
角館から国道は田沢湖を挟んで2手に分かれ一方は仙北市を抜け乳頭温泉方面一方は北秋田市方面だが、今回は乳頭温泉方面を選択してまずは田沢湖をかすめ田沢湖高原方面に向かう。
急な上り坂を走ると田沢湖高原温泉郷に入る。振り向けば眼下に銀色に光る田沢湖が見える。
さらに登ると道はだんだんと狭くなりカーブも多くなって自然と運転も慎重になる。坂道を登り詰め緩やかな下り坂になると小さな鶴の湯の看板が目に止まり素早く左折、穴ボコだらけの道を左、右と避けながら崖に落ちないように慎重に走っていると大きな建物が右手に現れるが、さらに進と旅行雑誌に出てくる鶴の湯の門が見えて来た。
お馴染みの鶴の湯の正面入り口
奥からチョンマゲを結った侍が出て来そうだ
ここで宿泊も出来るそうだ
鶴の湯温泉を後に来た道を戻り更に奥に走ると、幾つかの温泉地を通過して道は温泉旅館の庭で行き止まりとなる。
妙乃湯
天気は雨が降っていたかとおもうと晴れてみたりと目まぐるしく変わっている。
林道の終着地点は蟹場温泉となる
かなり山奥まで入って来たので、これから田沢湖前の交差点まで戻らなければならない。
田沢湖
なんとか田沢湖まで戻って来たので日本一深い湖を半周して山深い国道を北上する。
しばらく山間道路を走っているとコバルトブルーの水をたたえる玉川ダムが見えて来た。更に少し走ると左側に車が沢山駐車している場所があり吸い寄せられるように入ってしまった。駐車場では皆ゴザを丸めて山の中に入って行く。歩いている人に聞いてみると、この先にある玉川温泉に行くとの事であった。
たしか以前来た時は温泉のすぐそばまで行けたはずだったので駐車場を出て玉川温泉に行ってみた。
国道から右折して温泉に降りて行くと以前は大きな空き地に駐車できたが現在は有料駐車場になっていた。
有料駐車場の係員に聞いてみたら、皆、岩盤浴をするためゴザを持ちここまで歩いてくるのだそうだ。あの場所で節約のため車中泊しながら長い人では数ヶ月この温泉に通い続けているとの事だった。
これで、謎が解けた、なぜ皆あの空き地に車を置いて歩いて川に降りて行くかが・・
有料駐車場からの遠望・赤い屋根の建物が岩盤浴建物だが屋外でも平らな場所にゴザを敷いて岩盤浴をしている人も多く見られた(岩盤浴発祥の地で塩酸を主成分としたラジウム温泉で、巷では様々な癌に効能があり医者に見放された人が沢山全国から訪れているとかいないとか言われているらしい)
温泉の湧出量は日本一、強酸性で包丁を1時間も浸けて置けば溶けてしまうとか
こんな噴気孔が沢山あり熱気も噴き出している
さてさて、そんなこんなでだいぶ今日は走ったので今夜のP泊地はすぐ近くの道端にある小さな空き地で車中泊することにした。